日本の夜と霧

日本の夜と霧
  • 日本の夜と霧

    日本の夜と霧

    松竹

    1960年|日本

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    安保闘争が切っ掛けで結ばれた、新聞記者・野沢(渡辺文雄)と女子学生・玲子(桑野みゆき)の結婚披露宴が行われていた。しかし、逮捕状が出ている全学連の学生・太田(津川雅彦)が突然乱入し、学生・北見の謎の失踪事件を叫び始めた。そこから、昭和25年当時からの学生運動の陰に起こった様々な事件が暴露されていく。ある結婚披露宴に集まった人々の、過去と現在が交錯してドラマが進行していき、全編長回しの連続で、しかも激しい政治論争に終始するという野心作。1960年安保闘争で揺れる当時の状況が、大島作品のなかで最もダイレクトに反映されていて、1960年安保世代と闘争に参加しようとしない旧世代との対立を中心に描かれている。川又昂の濃いブルーを基調にした撮影が素晴らしい。とりわけ、冒頭、庭の木々を縫うようにして移動するカメラは魅惑的であり、すぐさま作品世界に誘ってくれる。

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