植物図鑑 運命の恋、ひろいました
植物図鑑 運命の恋、ひろいました
2016年|日本
東京で一人暮らしをしている23歳のさやかは、何のとりえもない普通の女の子。ある冬の夜、アパートの前でお腹をすかせて動けなくなっている、見ず知らずの若い男性・樹に遭遇する。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません、しつけのできた良い子です。」酔っぱらっていたさやかはどうせ夢の中のできごと、と、子犬を拾うように、お腹をすかせた樹を家にあげる。翌朝、いつの間にか眠ってしまっていたさやかが目を覚ますと、キッチンには樹がありあわせの材料で作った朝食が並べられていた。自炊や手作りの料理とは無縁の生活を送っていたさやかは、朝食のおいしさ、あたたかさに思わず涙を流してしまい、「行くところがないならうちにいなよ」と言ってしまう。そして、樹に家事全般を担ってもらうことを条件に「半年間」という期限付きの同居生活が始まる。樹は「ただの雑草」としか認識していなかった野草の名前をさやかにやさしく教え、休日には一緒に河原や土手に行き、「野草狩り」をした草花で美味しい料理を次々に作ってくれる。さやかはそんな樹にどんどん惹かれ、抑えていた「好き」という気持ちが溢れ出し、とうとう樹に告白する。それは樹も同じ気持ちだった。そして、二人は同居人の枠を超えた特別な存在に―春が過ぎて、夏になり、このままこの時間がずっと続いてほしいと思った矢先、樹は手紙を残してさやかのもとを去ってしまう。彼には、さやかには伝えられない、ある秘密があった。
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